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■まったりとした都市生活を楽しませるあべの「and」の開店

 9月9日、阿倍野HOOPの南に「都市生活素材館」をコンセプトに沿線生活者への都心型商業機能と、足元の都市生活者に対する「デイリーユース機能」の両面を持つ商業施設、「「and」が開店しました。

 営業面積は14,000u。核店舗のロフトが3,800u、近鉄文化サロンが3,600uを占めており、売上げ目標が70億円と発表されています。

 あべの再開発等で周辺の新住民も増えてきており、あべの・天王寺を回遊する来街者層もずいぶんと変化してきています。もともと梅田や心斎橋・なんばの百貨店に比べ、自転車での来店客が多いなど「生活」に近い立地の百貨店でした。現在都心の百貨店で子供服の売場が最も充実しているのも近鉄百貨店です。2014年に10万uの増床計画が発表されています。
 
 あべの再開発の進捗と共に街がどう変わっていくか楽しみです。

 食事後に訪問したので店の近くの有名店「山ちゃん」のたこ焼きを食べることができなかったのが、かえすがえすも残念です。
 あべの筋の「明治屋」にはとうとういけずじまいでした・・・・。地元のいい店も残っていて欲しいものです。(9月12日)

 明治屋はその後再開発ビルに入居しています。

■「縮小」する市場に新規参入のチャンスがある@
 
右肩あがりの成長期はスピードと規模が勝負になります。より早く、より大きい規模で展開する企業が勝ち残ります。大企業であることが有利な市場です。しかしながら、日本の市場は人口減少により確実に規模は縮小していきます。

 業績不振の企業経営者は必ず消費不振、競争の激化などによる市場縮小を理由としてあげています。様々な業界の事例から考えると「市場の縮小」は既存のマーケットリーダーにとっては大変な脅威ですが、新しく参入する企業にとっては大きなチャンスであるということを強く感じます。縮小する市場での新しいニーズは、既存のトップ企業にとっての「収益構造」では採算が悪くて対応しきれないところに生まれてきます。最初は「ニッチ」としてあらわれたものが「メジャー」になるのです。

 具体的に例を挙げると、例えば「ブライダル業界」です。かつては「結婚式場」そして「ホテル」での挙式・披露宴が主流でしたが、現在では「ハウスウェディング」「レストランウェディング」を選ぶカップルがとても多くなっています。
 街の中で増殖している「教会風」「邸宅風」の建物がハウスウェディングの舞台です。式を挙げるのは週末で1日1組か2組の貸し切り形式が中心です。1日数組以上を回転させることで成立していた従来の結婚式場、ホテルではとうてい採算があいません。週末だけ稼働することで運営コストを下げること、そして「ウェディングプランナー」によるアドバイスで、さまざまな部分で利益をあげることなど「収益構造」はまったく異なっています。それで収益を上げる企業によってサービスが提供されているのです。


 縮小市場でのプレーヤーの交代は今後「住宅市場」「小売業」等で確実に進むと考えています。「住宅市場」では1次取得者の世代が入れ替わり、ライフスタイル、消費意識が全く異なったユーザーが主流になります。現在の業界の常識では変化するニーズの中で収益をあげることは非常に困難です。

 「小売業」についても狩猟型のビジネスから新しいタイプの農耕型のビジネスへの転換が必要になってきています。 お客様のニーズに応えるためには既存の仕組みを解体して一から組み立てる勇気が必要になります
(9月9日)

エリアマーケティングでは地域のマーケットリーダーをつかむ

 あるサイトで、ロフトの前の社長安森氏の「つくば西武」時代のエピソードが語られていました。筑波は研究施設の周辺は旧来の集落で構成されている田舎です。西武百貨店が出店し、地域にカード加入者の営業に回っている時、大きな家を回ってもなかなか会員が集まらなかったそうです。

その時に、ある人に「本家」を回りなさいといわれました。「本家」を見分ける目印は大きな木がある家。本家がカードを持てば回りの家も同じようにカード会員となり、みるみるカード会員が普及したということです。

 外から見てわからないネットワーク、外から見てわからないマーケットリーダーを知るには、より地域のコミュニティに入り込む必要があります。

 ファッション感覚と言ったより個人的なライフスタイルのリーダー層を知るには、意識調査を行いライフスタイル分析をすることがが効果的です。かつて商業施設の改装・出店のために全国数十カ所でライフスタイル分析を行ったことがありますが、地域地域でファッションリーダーのありようは異なっていました。東京の感覚だけでは間違えてしまいます。あの伊勢丹でさえ小倉からは撤退しました。

 東京と筑波などの地域の違いほどでははないにしても例えば、大阪でも京阪沿線と阪急沿線の生活者の意識行動、商店主のの意識行動はかなり違います。地域情報誌なども気がつけばずいぶんと細分化されています。
 
 あまり細かな分類に入り込むと全体像がぼやけてしますが、小売業はあくまでも地域産業です。エリアの中で自店のベースになるお客様と同時に、エリア独自のマーケットリーダー層のニーズをつかんで、自店の顧客としていくかがポイントとなります。

  (9月9日)
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