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エリアマーケティング・商業開発・まちづくり
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| ■阪神なんば線で生まれる人の流れのミナミへの影響 |
2009年春に神戸市三宮と大阪市の近鉄難波駅(「大阪難波」改称予定)をつなぐ、阪神なんば線が開通します。阪神西大阪線の西九条から、九条、ドーム前、桜川、近鉄難波をつなぎます。近鉄難波を経由して三宮から奈良まで直通の快速急行が運行され、最短70分台、料金は940円で結ばれます。(現在の鉄道ではJR利用で1時間22分、1210円が最速です)
三宮から近鉄難波まで約40分、400円。(現在は阪神と地下鉄をのりついで50分、540円)間の駅では西九条からUSJへつながり、最近好調なバファローズのホームグラウンドのあるドーム前にはイオンの商業開発が計画されています。
開通後はどのような人の流れが生まれるでしょうか?定期券を持った通勤客が朝夕のラッシュ時に集中することは直ぐには期待できないでしょう。
観光、文化、スポーツでの人の動きは容易に想像できます。沿線には目的施設、観光資源が点在しているので、人の動きがとぎれることはないでしょう。
ショッピングはどうでしょう。北摂、阪神間の住民の大阪市内での活動の南限は心斎橋までという説がありました。阪神間、神戸方面から来街しやすくなっても堀江、南船場から心斎橋に流れる若い人が中心になるでしょう。百貨店のお客さんであるシニア層は文楽劇場、新歌舞伎座、近鉄劇場など広域のミナミには回遊しても、なんば駅周辺(島屋)や心斎橋そごうには足が向かないと考えています。
南海なんば駅周辺と近鉄難波駅の間の回遊導線が課題です。わずか数分の距離ですが徒歩回遊の障害になっています。来店いただくには強い目的性が必要です。南海電鉄による駅周辺の整備や島屋の大増床工事が進行中なのでその成果次第ですが、商店街、地元商業者も含めた面としての改善が必要になります。他所から来街した人にはミナミの地下街は迷路に思えるようです。地上の道も安全なルートがわかりにくいのでしょう。
心斎橋へは地下鉄で1駅なのですが、近鉄難波駅からからの御堂筋沿いや堀江〜新町の路面店のつながりからで徒歩での回遊も想定されます。そごうには足が向かないと考えるのは「そごう」自体の課題です。
南海なんば駅の沿線、堺市ではシャープの液晶工場によって人の流れが増加しています。なんば駅から阪神電車経由で尼崎から山陽電鉄の姫路駅までつながるパネルベイのネットワークが描けます。定期的な人の流れは商売の基礎票です。
南海なんば駅と近鉄難波駅をつなぐためのミッシングリンクをつなぐ事は、それぞれの鉄道事業者の旅客増にもつながります。
安全で快適な回遊ルートの形成が阪神なんば線の成功とミナミ再生の鍵ともいえます。
(9月17日)
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| ■自転車のあるライフスタイルの拡がりと文明の転換点 |
少し前まで、街での自転車のりは「ママチャリ」とよばれる使い捨ての実用車か、マニアののるロードレーサーなどのスポーツタイプがほとんでした。
環境や健康志向の高まりなどから自転車に対する関心が拡がってきています。理由のひとつには都心居住の増加もあり「自転車通勤」を実践する人が増えてきた事もあります。
ファッション関係の記事が中心の繊研新聞でも自転車ライフ、自転車ファッションが定期的に取り上げられている。競技用のウェアはかなり派手な色目でピチピチなものだが、普段着感覚で着用できて機能性の高いものが多くなっています。
自転車を熱く語るのは一部のマニアかおじさんが多かったのですが、若い人達の間にファッションとしても定着してきているのを見ていると、これは「文明」の地殻変動のあらわれではないかとも思えてきます。
エコロジーは頭ではわかっていても実際の行動は「楽」な方を選びがちです。「自動車」が売れなくなってきていることと自転車をおしゃれとして愛用することを選択する「価値観」が若い人に定着してきている背景をじっくりと考えてみる事で、小売業が若い層にどう「買ってもらうか」を解き明かすヒントがあるように思います。
(9月17日)
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