株式会社ANALOG 市場調査から戦略構築まで現場をサポートするマイクロシンクタンク
エリアマーケティング・商業開発・まちづくり
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| ■東京からは日本が見えない@「鹿児島三越の閉鎖から考える」 |
大阪で商売を始めた飲食店が東京に進出すると、飛躍的に店舗数を伸ばし成長する事例が多い。市場のボリュームが桁違いに大きいからです。大阪でさえそうなのですから、地方都市と首都圏では「違う国」だといってもいいほど市場の規模に格差があります。デベロッパー、小売店も「収益率のいい首都圏に集中」という言葉をよく聞きます。東京な商売がしやすい環境なのかもしれません。実際、百貨店でも伊勢丹新宿店や三越本店などを見るとため息がでるほど綺麗で魅力のある店舗です。これを支えるお客様は東京でしかいないでしょう。
百貨店、チェーンストアも東京、首都圏に本社機能を移転し「情報を得る」と称する企業が多いもですが、これは大きな間違いです。確かにアパレルの展示会は東京でしか開催されませんから、地方から少人数が出張すると東京で多くのスタッフが見に行くのでは効率が全く違うといいます。
しかし、経営の意思決定をするトップが、商売のしやすい環境の「東京」でで考えると現場との感覚の乖離が大きくなり、意思決定を誤ります。「財界活動」をしたのいならそれでもいいでしょうが、小売業はあくまで地場産業なのです。全国展開する場合、全国に住むわけにはいきませんが、経営者は東京の感覚から少し距離をおくべきだと考えています。
東京では考えられないほど「効率が悪く」「手間がかかり」、「うちの会社のお客様ではない」と見える人を相手にした商売も必要になるのです。
閉鎖が発表された「鹿児島三越」は昔は「丸屋」という地域の百貨店でした。地方百貨店はチェーンストアによる買収から生き残った店も、最近の百貨店業界の再編流れの中で大手の「ブランド」に看板を掛け替えかえるみせが増えています。「三越」のブランドだから実現できるサービスと、デイリー性の強化を行えば、小さい面積であっても十分再生できたとも思います。
「スイーツのフードテーマパーク」という「はやりモノ」に床面積をあてたことには大きな疑問が残ります。・・・・(実は稚内から台湾までの百貨店の仕事をしたと豪語していますが鹿児島は未踏の地ですのであまり大きな事はいえないのですが)東京の感覚で意思決定したのではないかと意地悪なことを考えます。
いっぱいやれることがあったのに・・・・・。(9月26日)
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| ■東京からは日本が見えないA「隠れた富裕層」 |
先日破綻した外資系の証券会社ではキャリアのお姉さんが年収数千万円を得ていたといいます。FXで数億儲けたという20歳過ぎのお姉さんやお兄さんが数十万円の靴や服をばんばん購入しているという話を聞きます。
とりあえず、そういう話はおいといて・・・・。
地方都市での「富裕層」としては開業医、企業経営者といったあたりがスタンダードですが、もっと奥に分け入ると、見た目は垢抜けない農婦でありながら、数百万する着物を次から次に購入するような人達が存在します。
「垢抜けなくて」「センスが悪い」のですが「お金は使いたい気持ち」がまんまんな人達。
良い服、着物を購入しても着ていく場所がない、着て楽しむ場所がない。地方でもエスタブリッシュメントであれば地域の富裕層の集まりや、東京、大阪への都会に遊びに行く機会がありますから楽しむ場所があるのですが、「お金を使いたい」「楽しみたい」と思っていても実現する手段や機会をもたない人達がいます。
京都のお寺でのお茶会、ちゃんとしたホールでのカラオケ会、社交ダンス、ミニクルーズなど、「コト」を提供することでモノが売れます。そういったことをうまく利用しているのが呉服屋さん。
目に見えているエスタブリッシュメントは百貨店の外商さんが捕まえていますが、「えーこの人が」というような隠れた富裕層の女性は逆にそのようなエスタブリッシュメントの場に入りにくいかもしれません。
地方で商売すると言うことは、そのような人もお客さんにしなければいけない・・・と言うことは東京では見えません。冒頭に例を挙げた富裕層の方が簡単に、かっこよくお金を使ってくれそうにみえますものね。
(9月26日) |
| ■次のメインプレーヤーは誰か? |
勢いのあった新興デベロッパーの破綻が相次ぎ、商業開発、都市開発のプロジェクトについてもなかなか、前向きの話が聞こえてきません。生保などにもかつての勢いが無く、流通事業者も数が絞られてきた中で、今、市場で勢いがいいのはどの業界なのでしょう?
現場での実感でいうと「商社系」のデベロッパーが積極的なのが目立ちます。大手商社およびその関連会社は開発意欲が衰えていません。一説にはエネルギー関連の事業が好調で、銀行などの資金調達にも困らない為ともいわれています。
鉄道会社系統のデベロッパーはどうでしょう。昔から商業開発を行っていてノウハウを持っている企業と、そうでない企業で明暗が分かれているようです。沿線外の物件を購入したものの、売上が急減して大変な状況にある企業もあれば、表には出ないものの沿線外の物件のプロパティマネジメントを事業の柱にしている企業もあります。
商社系のデベロッパーと良い立地とノウハウを持っている鉄道系の企業がここしばらくのメインプレーヤーであると思います。
百貨店などの流通事業者はノウハウはお持ちなのですが、ノウハウを活かすためには力のあるプレーヤー(事業運営者)との間で考え方の意思疎通をはかる通訳が必要であると実感しています。
(9月24日)
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