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What's New2013年7月の更新
 What's New
株式会社ANALOG   場調査から戦略構築まで現場をサポートするマイクロシンクタンク 
  エリアマーケティング・商業開発・まちづくり 

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本格的な再開に向けての予告編  

 HPの更新に使っているウィンドウズVISTAのマシンが反乱を起こして動かなくなりました

 現在、新しいOSのパソコンに移行するか、反乱を鎮圧するかで検討中です。

 随分更新の間隔が空いてしまいましたが、ネタ切れになったわけではありません。
 近い将来の再開に向けて、東京の多摩を歩いて考えた事を予告編として掲載します。


1.ウォルマートは西友をどうしたいのか?

駅前に立地する古い西友は店舗も狭く、老朽化しており、確かに扱いは難しい店舗です。
店舗の設備には一切投資しないで、食料品の24時間営業を行っている店は、何かの罰ゲームをやらされているとしか見えません。
 隣の長崎屋は「メガドンキホーテ」に業態転換しそれなりに地元のヤンキーの人気を集めています。
 何故、ウォルマートはスクラップも、投資もしないで営業を続けているのでしょうか?

2.八王子はリトル新宿

八王子は、一応学生街のはずです。その駅前は、学生街の雰囲気では無く、けばけばしく、どぎつい看板が林立するあまり品の良くない街並みです。(関西人の私が言うのも何ですが)
 ユーミンの出身地である聖地八王子を始めてじっくり見て、少し落胆しました。・・・それと、この街は「山梨県」の強い影響下にあるのですね。確かに、「甲州街道」は山梨に通じているのですが。意外に近い。

3.伊勢丹ミラーは失敗?

 伊勢丹が積極的に出店しているというコスメの専門店ですが、お客さんが全く入っていませんでした。新聞では好調と伝えられていましたが、本当のところはどうなんでしょう。
 首都圏、では圧倒的に強いはずのブランド力の神通力は無いのでしょうか?

 小型店、専門店がうまくいかないのなら、JR大阪三越伊勢丹がルクアに併合されたとしても、うまくいかないという最悪のケースを想像してしまいます。私は京都を旗艦店として、三越伊勢丹の関西圏はJR駅に小型店を展開するしか無いと勝手に構想していたのですが・・・・。

                                       (2013年9月8日)
■築港赤レンガ倉庫は取り壊しで活用へ〜外壁保存が条件

 大阪築港地区の赤レンガ倉庫 取り壊して活用

 天保山の築港地区の赤レンガ倉庫は住友倉庫によって大正12年(1923年)に建設された大阪市内に残る数少ないレンガ倉庫です。1998年に大阪市が住友倉庫から6億円で購入し、「芸術家村」を作る構想がありました。
 隣接した「海岸通りギャラリーCASO」は住友倉庫が1968年に竣工した鉄骨造倉庫を再生したた現代美術の展示ギャラリーです。
http://www.caso-gallery.jp/ へのリンク

 一帯は国際的な文化芸術の交流拠点として整備される構想で、安藤忠雄設計の人工地盤、、親水空間が2006年までに整備されました。

 延べ面積が7,200uとなる赤レンガ倉庫は、イベントなどで利用されていましたが耐震性がたりないため、立ち入り禁止とされ活用が検討されてきました。

 検討の結果、赤レンガ倉庫は建て直しを認めることになりました。620メートルの外壁の内、半分弱の280メートルを残し、屋根も現在の形を残すことが条件付けられています。

 保存も議論されていましたが1棟2億円の耐震補強費がネックになったといわれています。

 海遊館に隣接した「旧サントリーミュージアム」も「大阪文化館」と改称され、ワンピース展やツタンカーメン展で集客しています。
 現代アートの集積での街イメージ作りは、すぐに成果も上がらないので、行政の熱も冷めてしまったのでしょうね。国際的な基準でのセンスが必要ですしね。

 「集客施設」として大型レストランかブライダル関連の企業が手を挙げるのでしょうか?8月末にも定期借地での利用企業を公募します。

 ウォーターフロント地区全体での「現実的」でかつ「夢のある開発構想を再構築しないと、ばらばらと、手を付けられるところから虫食いで開発していくのはあまり好ましいやりかたではありません。

 「アートでの街づくり」の錦の御旗を降ろしてしまうと、あまりいい結果にならないと思うのですが・・・。

                            (2013年07月23日)
■「街コン」と「まちなかバル」生き残るのはどっちだ

 街コンの発祥の地は宇都宮市

 街ぐるみの合コンイベントである「街コン」がスタートしたのは2004年に宇都宮市で開催された「宮コン」だと言われています。地方都市の中心市街地は郊外の大型モールなどにおされて元気が無かったのですが、若者を集めるイベントとして、飲食店が連係して特別メニューを提供し、「出会い」の場を作るイベントで、大きなモノでは3,000人の参加者があると言われています。2011年には地域活性化の起爆剤として大ブームになり全国に広まりました。

 あちこちに乱立したのと、結構トラブルもあって、昨年頃からブームは終わったともいわれています。「飲食街の活性化」「地域活性化」という趣旨と、「出会い」に対してお金を払っている?参加者の意識のずれが大きいのでしょうね。

 「まちなかバル」の発祥の地は函館市

 バルはスペインの庶民に愛用されている飲食店で朝食から、夜の居酒屋利用まで、食事だけで無くコミュニケーションの場として活用されています。
 2004年2月に墓おだて市の市街地の飲食店を街ごとバルに見立てた食べ飲み歩きイベント「函館西部地区バル街」が開催されました。

 参加する飲食店がドリンクとフードが一緒になったバルメニューを提供し、バルのガイドブックを参考に参加者が食べ歩くイベントです。
 街コンと違うのは独身男女だけで無く、ファミリーやおじさん、おばさんも参加できることです。

 近畿財務局のレポートで関西での「まちなかバル」の火付け役となった「伊丹まちなかバル」の事例が紹介されています。

 伊丹市では中心市街地活性化の一環として日本酒イベントの「酒樽夜市」や商店街での100円均一イベント「100円商店街」などを展開していました。2010年10月に「清酒発祥の地」伊丹市として「酒文化があふれるまちなか」をテーマにし「伊丹まちなかバル」をスタートさせました。予想以上の来場者とイベント後のリピーターの多さに、現在年に2回のペースで開催が続いています。

 2013年5月の第8回目のバルには107店舗、1万人の来場者が参加しました。同時に開催された「伊丹オトラクな一日」イベントで街の中では100人のミュージシャンが」演奏をしており、料理と音楽の両方が楽しめる事で魅力がアップします。

 試しにちょっと検索しただけで、関西でも数多くのバルが開催されていることがわかります。地域の特性を活かした街ぐるみのイベントは、大型ショッピングモールには無い街の魅力を」発見させてくれます。

                               (2013年07月19日)
■中高年が主役になってきたコンビニ〜50才代の利用が増える

 コンビニ利用が増えたのは20代と50代で多い

 性別では女性が増えていて、20歳代の女性では51.2%と半数強が「増えている」と答えています。スイーツなどの女性向けの商品が強化されていることの影響でしょう。50代の女性では「スーパーと同じPB商品があるから」という回答が多く、ちょっとした買い足しなどに活用されていることがわかります。今後シニアの利用が増えてきたときにセブン&アイの強みが発揮されそうです。(その意味でイオングループは「ピーコック」よりもコンビニチェーンの買収を急ぐべきだったと思います・・・これは、以前も指摘したとおりです)

 コンビニ利用機会は通勤通学途中


 自宅から、わざわざ出かける比率が少ないことは注目点です。もちろん、日本全国地域によって違いますが、周辺の居住者数では無く、人の流れの中でどのポイントにあるかが重要になります。
 利用されている商品もおにぎり、弁当、サンドイッチと言った食事に加えて、嗜好品として女性にはスイーツ、デザート、男性には缶コーヒー、タバコが利用されています。

 大阪市交通局の売店の運営をコンビニが受託していますが、コンビニの売れ筋上位をそのまま持ち込んでいることがわかります。立地はいいので、それなりに「利益は上がっているのでしょうが、利用者の立場ではスピード感が老いのと雑誌・新聞の品揃えが劣化したことが不満です。
 エキナカの専門店ならともかく、キオスクでわざわざスイーツ・菓子パンを求める人はどれだけいるのか?駅の売店の雑誌で鉄道沿線の民度が図れると言われていました・・・それだけ利用者のニーズに敏感に対応していたという事です。今の売店は運営者の都合によるシステムの押しつけになっています。

 
 創生期には10代から20代の独身者を主な顧客としていたコンビニエンスストアは、かつての利用者のライフステージ変化への対応によって、利用を復活させたことと共に、20才代の新しい世代の利用者の獲得にも成功しています。
 基本的な「食事」の提供とともに嗜好品である「ケーキ・デザート」の開発に注力され、いつも新しい商品(情報)が提供されているからです。
                          
                                    (2013年07月18日)
図ー年代別コンビニ利用頻度と利用の増加

図ーコンビニ利用機会

図ーコンビニで利用する商品(全体、男女別)



(マルハニチロホールディングス コンビニエンスストア利用実態調査2013)
全国1000sのコンビニを週回以上利用している人対象
コンビニの利用頻度については対象者抽出用の事前調査 N=3675
■三越鹿児島店撤退後の「マルヤガーデンズ」24ヶ月連続増収
 
 地域コミュニティの中心となる「マルヤガーデンズ」

 2010年4月、撤退した鹿児島三越の後をうけて開業したファッションビル「マルヤガーデンズ」は、
セレクトショップ、専門店の導入だけで無く、1ヶ月平均40企画と言われるイベントの開催でコミュニティの核になっています。

 http://www.maruya-gardens.com/ へのリンク

 テナントの入れ替えなど改装にも積極的で、2011年7月から2013年6月まで24ヶ月連続で増収を達成しています。

 地元百貨店の山形屋の野暮ったい店舗に、以前の三越の社員は楽勝だと思ったといわれています。鹿児島三越の前の地元百貨店の丸屋時代の売上げ100億円を、一時は190億円まで延ばしましたが、最後は98億円と丸屋時代を下回る売り下で終わりました。最後は「スイーツガーデン」(フードテーマパーク)を設置するなど、「思いつきのやけくそ」としか思えないことまでやっていたことを覚えています。

 カード会員を開拓し、イベントを継続するなど、顧客づくりに注力したことが成功につながりました。

 新幹線の開通による地元商業施設の危機感が協力してイベント開催する機運が固まったことも、回遊性を向上させることでプラスに働いています。

 姫路ヤマトヤシキ シニアプロジェクト

 駅ビルが開業し、若い人向けの商業機能が強化された姫路市の老舗百貨店「ヤマトヤシキ」はシニア層の顧客ニーズ対応を強化し、利用頻度を高めてもらうための「シニアプロジェクト」を開始しています。
 5階に「ユザワヤ」を導入、65歳以上を対象にお得な「シニアお買い物券」を発行しています。


 注目したいのは外商顧客向けの取扱商品を増やしたことで、「通販商品」や「家電製品」を開始しています。シニアといっても高齢化がかなり進んでいますので、来店できない人や、若い人のようにネットも利用できないので、このサービスはいい着眼点だと思います。

 来店の楽しみと、安心できる購買代行業の両方のサービスがシニアに対して必要になります。

                                           (2013年07月17日)
■駅ビルと百貨店の基本的な出発点の違い

 駅ビルの強みは利便性

 時間をかけずに買い物を楽しみたい+何が流行しているか見つけたいといったお洒落なコンビニエンス性が駅ビルの利用目的です。
 百貨店が提供するプチ贅沢や気分転換の要素は弱くなっています。人の流れが多すぎたり、環境に制約があるので仕方が無い側面もあります。
 JR大阪三越伊勢丹は駅ビルのルクアが中心になって「再構築」されるようです。(JR西日本の株主総会を報道する記事より)もし、JR西日本が百貨店業態をかかえる意味があると判断するなら、
 百貨店の強みを活かした新しい店舗のフォーマットをつくっていく必要があります。

 うめきた先行開発区域グランフロント大阪開業の影響

 ディアモール大阪、HEPファイブのダメージが相変わらず大きいようです。客層ターゲットの違う阪急三番街は堅調です。
 ルクアは入場者数は伸びているはずですが、全館の伸びは低調。グランフロント大阪のショップ&レストランは飲食店が多いので、その影響を直接的に受けています。HEPファイブも飲食店のダメージが大きいですね。新しい店の利用が一巡したら影響は収まるでしょうね。
 何度もいいますが、グランフロント大阪には「目的地」「用がある場所」がないので、わざわざ訪れる人は徐々に減っていきます。
 観光客については来年、あべのハルカスができたら人の流れは変わってしまうでしょう。

 今のうちに何か定期的なイベントを仕込んでおいた方がいいでしょう。

                                         (2013年07月16日)

図ースポット別買い物目的

「買いもの幸福度調査」三菱地所・サイモン株式会社  2013年6月 
          首都圏在住の20〜40台の女性500人を対象にした調査)

図ー主要ファッションビル商況(6月)

(繊研新聞2013年7月16日)
■買いもの幸福度調査に見る「百貨店業態」に残された価値

 あなたの「百貨店」は今でも流行を発信していますか?

 伊勢丹の社員さん以外は俯いて目を逸らしそうですね。

 首都圏の20〜40歳台の女性を対象に三菱地所・サイモン(旧チェルシージャパン)が行った調査で、他の業態を押さえて百貨店がトップになっている「買いもの目的」です。決して中高年対象の調査ではありませんよ。断然トップなのは「プチ贅沢をする」という目的です。「気分転換」というのもトップにあげられています。(図−2)

 一方、「楽しい気持ちになる」という評価(図−1)は「アウトレットモール」や「駅ビル」「SC」より低い評価です。1回の平均買いもの金額も「アウトレットモール」や「路面店などのブランドショップ」の6〜7割です。

 「自分の欲しいものを探す」時は「オンラインショップ」を利用することが多いようです。

 百貨店の主要なターゲットは60代以上になってしまっています。メインの客様に対応しつつ、、若い世代のお客様でも評価いただいている特徴をどうやって伸ばしていくかが生き残りの途です。

 人減らしと、価格訴求(ユニクロや無印良品を導入する)ことばかりに目を奪われると、未来は見えてきません。

                                  (2013年07月12日)
図−1スポット別「楽しい気持ち」評価と買いもの予算

図−2 スポット別買いもの目的


(「買いもの幸福度調査」三菱地所・サイモン株式会社  2013年6月 
          首都圏在住の20〜40台の女性500人を対象にした調査)

http://prw.kyodonews.jp/prwfile/release/M102139/201307083151/_prw_OR1fl_0547GgVB.pdf へのリンク
■韓流テーマパークの成算〜マルハンは破綻したフェスティバルゲートを超えられるか

 「フェスティバルゲート」〜開業時には800万人を超える来場者があった都市型遊園地

 1997年、新世界と愛隣地区に隣接した、大阪市交通局のバスの車庫跡地に「フェスティバルゲート」は誕生しました。総工費500億円、総面積1.4ha、店舗面積5,700m2。約380台収容の駐車場や、約120台収容の駐輪場も設けられていた施設は経営破綻の末、2009年に8億円(入札予定価格、実際には12億円で落札)でたたき売られました。〜坪28万円ですね

 入札したのはパチンコ屋サンの「マルハン」です。当初は、総事業費55億円を掛けて2階建ての新たなビルを建設し、ボウリング場を中心にしたスポーツアミューズメント施設『ツーテン・ゲート』(仮称)として、2013年までのオープンを目指していたそうです。(契約上5年間はパチンコ店の出店は禁じられている)。
 スカイツリーの影響で「通天閣」を訪れる観光客も増えていますし、愛隣地区のドヤも最近は外国人観光客に宿泊利用されるなど地域のイメージも少しづつ変わってきたと言います。
 日雇い労働者も高齢化し、仕事も、建設関係は東北の復興事業、工場は愛知や九州での派遣労働に変わってきているので、寄せ場としてもかつての「活気」はありません。

 2013年7月9日に、4階建ての「韓流テーマパーク」(仮称)を2014年秋に開業させると発表しました。

 「マルハン大阪韓流PROJECT」


 マルハンはパチンコ事業以外の事業の拡大を目指しており、、ゴルフ場の「太平洋クラブ」のスポンサーになり、東京では松竹などと「株式会社TOKYO六区シティ」を設立し、浅草に複合商業ビル「マルハン松竹六区タワー」を2014年に開業します。

 フェスティバルゲート跡地は更地になっており今年の秋から着工し、2014年秋の開業を予定しています。

 物販、飲食、食品、、多目的ホールの4つのエリアで構成され、物販では韓流スターのプロデュースしたファッションブランドや関連グッズのショップが入ります。

 飲食には韓国食文化を集積し、韓流スタープロデュースによる話題のレストランや素材にこだわった本格的なメニューが提供されます。
 食品ゾーンは韓国輸入食材のスーパーマーケットが導入されます。
 多目的ホール(仮称:KPOPホール)ではK−POPのコンサート、韓国で話題のパフォーマンスショーなど韓国エンターテイメントの為の多目的ホールになります。1,000台近い駐車場も整備されるとのことです。

 韓流スターのコンサートは今でも人気が高いのですが、常設するとしたらここなのでしょうか?南港ATCの中にも何年か前に韓流スターのショップがありました。今はどうなんでしょう。

 一世をを風靡した「冬ソナ」ヨン様のレストランが東京のどこかにあったそうですが、いつの間にか閉店していたそうです。(タレントショップでしょう要するに・・一時の話題だけです)
 確かに、ファンはいるのでしょうが、大阪では鶴橋とか桃谷のなどの在日韓国人・朝鮮人の多く住むエリアにつくるのが本来の筋でしょう。東京の新大久保のように・・・・。「観光客」だけでなく在日の同胞にも支持され、利用される施設で無いと永くは続かないです。

 日本橋の中国商品の総合店舗「上海新天地」では中国の食材やCDなどを在日中国人が買い求めに来ています。

 大阪には沢山の在日韓国人・朝鮮人が生活しています。鶴橋で若い在日の青年に話を聞いたことがありますが、ソウルには言ったことも無いし、韓国の文化にあまり関心が無いようでした。韓国内の出身地域の問題もあるかもしれませんが、観光でスポットライトのあたる「韓流」と「日本での暮らし」には大きな溝があります。

 韓流にはベースになる熱狂的なファンはいるのでしょう。(先日の京セラドームでのイオンモールにまではみだしたコンサートのファンの数でわかります)但し、これだけの規模の施設に投資し継続的に収益を上げられるほどのポテンシャルはありませんし、今後の拡がりも期待しにくいでしょう。

 中国人団体観光客ならば、買いものは直接ソウルへ行くでしょう。
 5年後にはパチンコ屋が導入され、韓国では禁止されている「パチンコ」目的で来日する韓国人観光客のメッカになっているのかも知れません。ま、ある種の「カジノ」ですから市長も大歓迎・・・なんでしょうね?

 年間来場者数は300万人目標とされています。

 そういえば、道頓堀劇場も結局はパチンコ・パチスロ屋サンにおさまりましたね。

                             (2013年07月11日)

 東京浅草の「マルハン松竹ロックタワー」は8階建てのうち1〜3階がパチ屋です。マルハンの社長も「パチンコを楽しみに来る海外の観光客もおり、今後、さらに海外の人を取り込んでいきたい」と明言しています。(週刊ダイヤモンド7月10日号)
 大阪市交通局の保有していた公共資産の跡地は、最終的にはパチ屋になる事が間違いないようです。 なんだか、やりきれない思いです。       
                        (2013年07月17日)
■目先の利益の最大化によって失うモノ〜大阪市内のホテルを事例に

 宴会の量は地域一番ホテルの目安

 ながらく大阪でトップのホテルと見なされていた「リーガロイヤルホテル」はその歴史とともに「宴会場」の規模と、そこで行われる宴会の質で断然他を引き離していました(図−1)

 ある程度の格を持つシティホテルは、売上げの中で「宿泊」の構成比が低く「宴会」「飲食」の比率が高くなっています。(図−2)

 ただ、利益率に着目すると宿泊の利益率が高いので、最近開業する外資系の高級ホテルは室数は少なくても宿泊を中止においています。

 ただ、大規模なコンベンションを獲得するためには、客室数は数百以上は必要になります。(昔はジャンボジェット1機分が必要と表現されていました)
 その意味で大阪市内では「リーガロイヤルホテル」「帝国ホテル大阪」「ホテルニューオータニ大阪」あたらいがそれに該当します。
 「ハイアットリー-ジェンシー大阪」は南港という立地なので宴会のシェアは少ないのですが、本来のコスモスクエア計画が実現していれば「インテック大阪」(展示場)にも近いので。もっと本領を発揮していたでしょう。

 こういった背景があって「リーガロイヤルホテル」が7,800円で客室を提供しているという日経の記事が引っかかったのです。

 ホテルの格付けの変動

 JDパワーズという外資系のCSコンサルタントがホテルの宿泊客満足度調査を毎年発表しています。
 価格帯別に調査されていて1泊35,000円以上の部門では「ザ・りっう・カールトン」が799ポイント(1000ポイント満点)で1位。2位が「帝国ホテル」777ポイント、3位は「ハイアットリージェンシー」723ポイントと続きます。

 その次のランク15,000〜35,000円部門では、関西にもあるホテルでは「ヒルトン」が714ポイントで3位。「ホテルグランヴィア」が695ポイントで4位。「ホテル日航」とならんで「リーガロイヤルホテル」が692ポイントで5位となっています。

 詳細はJDパワーズ「2012年日本ホテル顧客満足度調査」で検索してみて下さい。

 ブランディングの失敗

 リーガロイヤルホテルはウェストウイングの老朽化が価格破壊の理由でしょう。団体用にだけディスカウントして売れば目立たなかったのに、ネットで売って少しでも利益にしようと考えたのだと推測されます。売上げの中心は宿泊ではないのですから割り切ればよかったのです。(ホテルオークラはこの間まで稼働率50%でもネットで安売りしていませんでした)

 乾坤式は儲からないので最近まで力を抜いていたホテルも多かったのですが、専業のハウスウェディング業者が利益をあげているのをみて再度注力するホテルが増えています。

 ハウスウェディングの会場は平日の昼間、アイドルタイムは施設を閉めています。(サービススタッフは派遣)そのことで「コストダウン」をはかり、演出や付帯サービスでしっかり稼いでいます。

 これをフリ稼働させないといけないと考えると「不要なコスト」が発生します。ホテルの発想ではできない着眼点です。

 もちろん、施設に投資したので夜は別業態の二毛作、、三毛作で稼ぐのが正解という業種もありますが。ブランド価値=評判が生命線のホテルでは致命傷です。

 リーガロリヤルホテルは古くて狭い客室を、安く市場に流してフル稼働させることを善と考えたために、ブランド価値を喪失したのです。

 昨日にも述べた、活気がある=元気であるという単純な思考では大阪の都市の資産はいかせないという事実にもつながる事例です。

                             (2013年07月10日)
図−1 大阪市内主要ホテルの価格帯と室数、最大の宴会場の規模

図−2 大阪市内主要ホテルの売上げ構成比


 ホテル年鑑2009 オータパブリケーションズからANALOG社作成

■炎暑の大阪の街ネタ〜アメリカ村の行列は・・・

 エッグスンシングス心斎橋店 6月21日オープン

 2010年に原宿に進出して以来、生クリームを山盛りにしたパンケーキが人気で行列が出来ているハワイアンカジュアルレストラン「エッグスン シングス」心斎橋店が6月21日にアメリカ村にオープンしていました。たまたま通りかかったのですが、今時珍しい、昼間からの長蛇の列に思わず、何に並んでるか確かめると・・・・なんだ。パンケーキでした。

 この前見たアメリカ村の行列はマクドナルドのメガマック発売の無料?ぶるまいでした。(派遣切りが話題になった時期でしたから、「マック、派遣切りされた派遣労働者へのの炊き出し」と酷い言い方もされていました)。

 タイーガーコペンハーゲンはレジ待ちの行列が2階まで

 昨年開業して話題になって居たデンマーク発の雑貨店「タイガーコペンハーゲン」は品物は十分に揃っていますが、店内のレジ待ちに長蛇の列です。すごく売れているかレジの手際が悪いか、どちらかでしょう。列は2階の売り場にまで並んでいます。
 品揃えは・・・・最近の100円ショップもかなりおしゃれな品揃えになってきましたが、やはり北欧のデザイン力には及びません。センスのいい商品も揃っています。といってもほとんどあってもなくてもいい商品なので買った後は後悔してゴミになりそうです。

 心斎橋でかつて行列が出来ていたハーゲンダッツのあったあたりに6月1日にオープンしたH&M系の「ウィークディ」はモード系をうたっていたわりに無難な商品が多い店です。今ひとつです。

 大阪はビフの街?に

 大阪の主要な通りの広告規制を緩和し、電飾広告や、ラッピング広告を解禁するようです。「規制緩和」であれば広告を審査する役所の機関がうまれ役所の仕事が増えます。「規制廃止」であれば無秩序な看板が並び御堂筋が香港や道頓堀のような街並みになるということです。

 すでに整備が進んだ三休橋筋には新世界の串カツ屋の品の無い「でかい看板」が掲げられ、「人相の悪い陰気な政治家」(誰だっけ?)のポスターを掲げた居酒屋が店を出しています。・・・・人によってはこれを「活気」とか「賑わい」とか呼ぶのでしょうね。静かな四ツ橋筋にも「巨大な看板」を掲げる自転車屋が開業し,周辺から浮きまくっています。

 これで、今後大阪にカジノが建設されるのであれば「大阪」はバックトゥザフィーチャー2のビフが金で支配する悪夢のような未来の街(といっても1985年という設定ですが)になるでしょう。

 尊敬する有識者の先生が描いた「美しいビジョン」の衣の下には、何を「活気」、何を「活力」と考えるかという点で基本的な間違った強い思い込みが伺えます。「大阪の元気」について中身をしっかりと議論する必要があります。過疎地の町おこしではないのですからね。

  ルクアの社長がJR出身の山口氏に交替

 JR大阪駅の駅ビルの社長にJR創造本部の副本部長をつとめておられた山口正人氏が就任しました。開業以来陣頭指揮をとっていた中山社長は引退されました。
 伊勢丹出身で、JR京都伊勢丹の社長から転職された中山氏の退職で、JR大阪三越伊勢丹の再生はルクアとの連係が欠かせないだけに、JR西日本が主導していくことになるのでしょう。

 うめきた先行開発区域グランフロント大阪の開業で、来場者が増えても売上げにはつながっていない大阪ステーションシティの再構築にはあまり時間をかけられないので、組織を固めて早く動く必要があります。2015年春に改装オープン・・・て来年はどうするんでしょう。
(今秋にJRと伊勢丹で合意し、来年早々に工事に入るということです。1年かけての改装といことはかなり大きな工事になるのでしょう)
                                          (2013年07月09日)   
■首都圏のホテル稼働率は改善傾向〜京阪神では神戸が厳しい

 稼働率はホテルの人気の目安にはならない?

 週刊ホテルレストランが全国の267ホテルを対象に客室稼働率の調査を行っています。調査対象ホテルは地域の上級ホテルです。地域でまとめられた稼働率は,その地域のホテル需要を推計する目安になります。

 毎月、調査地対象ホテルの一部についてホテル別に稼働率が掲載されています。
 個別のホテルの業績は客室稼働率だけでは判断できない側面があります。上位クラスのホテルの売上げでは客室からの売上げが2割程度です。

 東京の「ホテルオークラ」の昨年11月の稼働率が50.2%、「ホテルニューオータニ」が45.2%だったりします。ただ、7月2日の記事でも触れた「ネットエージェント」によるプロモーションが急速に普及しており、「ホテルオークラ」の稼働率が50%を超えたのは「ネットエージェント」によるプロも-ション効果だといわれています。
 もちろん、ネットでの販売は価格訴求や安売りばかりではなく、館内の施設・サービスを活用した「商品企画」によって個人客を呼び込むのですが、どうしても「お得感」が最後の決め手になります。
 客室をその日に売り切りたいという、また価格を下げれば売り切れるという実績が、リーガロイヤルホテルの旧館の7,800円という販売価格につながります。ただし、その落ちぶれ感は宴会や会合のセールスにとってはプラスばかりではないでしょう。

 神戸は宿泊のポテンシャルが低い?
 
 神戸市は観光都市というイメージでとられがちですが、客室稼働率の側面からは大阪市や京都市に大きく差を付けられています。大阪にあまりにも「近すぎるせいでしょうか?
 同じように大阪に近い京都市にはインバウンド、学生団体というベースがあります。

 京都には来年2月に「ザ・リッツ・カールトン京都」が開業します。個人客中心の134室のコンパクトなスケールのホテルです。飲食施設、スパ、プールが備わった、都市型リゾート施設になりそうです。
 神戸にはホテルオークラ以外、あまり全国的な知名度のあるホテルは存在しません。また老舗ホテルも残っていません。地元の人にとっての「特別の場所」が無いのです。

 神戸市の起死回生にはまだまだ課題が多そうです。

                                         (2013年07月08日)
図ー2012年ホテル稼働率

(週刊ホテルレストラン 2013年3月8日号)全国267ホテルへの定期的な調査による
■急速に変わる市場といつの間にか変わってしまった市場

 死亡者は増えても「売上げ」は縮小する葬儀業界〜再生の鍵は?

 毎年、件数が増えていながら,売上げ規模が縮小しているのが葬儀業界です。2011年には1兆4,145億円で前年比6%の減少となっています。

 葬儀のうち415を占めるのは「式典進行・設営・葬具」で5,859億円。その次に多いのが返礼品17%で2,385億円。生花、1,869億円(ちなみに花卉小売市場は1兆260億円 2012年矢野経済研究所 同調査での生花店から葬儀業者への出荷ベースでの葬儀花市場は1,132億円〜葬儀業者の粗利は4割ですね)
 飲食費用が1,758億円です。

 葬儀業界では葬儀の小規模化の進展が著しいのです。背景には高齢化による出席者の減少、宗教離れと地域コミュニティの希薄化などがあげられています。友人や連絡先のリストが紙媒体からデジタル管理になり、配偶者が連れ合いのネットワークを見ることが出来ない・・・というやや強引な理由もあげられています。(特定サービス産業実態調査)デジタル管理している位の人なら,エンディングノートを書いていそうですよね。
 家族葬などの小規模葬儀から、1日で通夜、葬儀、初七日をすべて終わらせる葬儀へのニーズも高まっています。宗教儀式をともなわない、火葬場での「直葬」を選ぶ人も増えています。

 「葬儀」は誰のためにあるのか、と原点に返れば、「儀式」の要素は最低限に抑えて、ご遺体の「処理」はシステマティックにすませることでコストダウンをはかり、一番悲しんでいる人の心のケアに重点を置いたビジネスへと転換する必要があります。もともと「儀式」は喪主が「死」「喪失」を受け入れるための手順なので、会社や地域へのプレゼンテーションの要素が薄まってきた以上、今までと違った視点でのアプローチが必要です。

 宗教者にかわるカウンセリングプログラムや、法事に変わる新しい人生に向かう医療、介護、資産管理の総合サービスの提供が葬儀業の中核事業になるでしょう。
 事業免許が不要なので、ご遺体の衛生管理を徹底したローコストの基本サービスと、付加価値の高い飲食、生花などの非日常の装飾、喪主に寄り添うカウンセリングサービスが収益源となっていくことでしょう。お金をかけたくない、かけられないひとはローコストの基本サービスでお見送りを終えることも可能になります。数字から見てもこの流れは止められないモノです。

 20年間で様変わりした木製家具を巡る状況

 TPPで農産物の関税が撤廃されようとしています。先に関税が撤廃された国内の林業業界は壊滅状態にあります。その中で生き残る途を考える材料になりそうな統計数字を御紹介します。

 1993年の国内の製材所の出荷数を見れば、米材を中心とした外材が国産材を圧倒しています。ところが、2010年になると木材の需要も大きく縮小していますが、外材の落ち込みが国産材より大きく、出荷額は国産材が外材を上回っています。(家具は壊滅ですね、植林されている杉やヒノキは家具には適さないのです)

 ひとつは原木で無く、合板などに加工された木材の輸入が増えたことと、家具であればニトリなどのように生産を海外に移転していることがあげられます。生産国も加工した付加価値の高いモノを輸出した方が富が得られます。
 たまたま、木材、家具を調べていてこのような統計を見つけました。アパレルなどでも同じような傾向がでているのでしょうね。(日米繊維交渉が紛糾したのは随分昔の話になりましたね)

 経済産業省の「我が国製造業における「空洞化の現状」というレポートでは、製造業の工場の海外進出は海外での需要に対応する生産増のためのもので、国内需要に対応する国内工場の業務を海外に流出させるものではないと結論づけていました。どうなんでしょう?

 国内市場はこれから縮小していきます。労働集約型の加工作業は海外ですませたものが「安く」入ってきます。これからもTPPにより拡大するでしょう。

 農業をどのように生き残れる産業にするかは喫緊の課題です。木材の輸入で減少のもう一つの理由は乱伐で資源が枯渇し輸出を制限しているということもあります。あれほどありふれた素材であった「ラワン」はもうありません。ニトリの家具は生育の早い「ゴムの木」で作られていますが、生育が早い分、劣化が早いのです。

 農産物で生き残るのは、生産と,商品企画と、流通が消費者に近いところで緊密に連携する形になるでしょう。伊勢丹がオイシックスと提携したことには必然性があるのです。

 国産材は樹種的にも価格でも壊滅してもおかしくないのですが、それでも地域で守りたい,守らなければならないと考える人が多いので命脈を保っているといえましょう。決して良い状態ではないのですが。


 葬儀業界にしても、農林業にしてもそれまで手がかかって儲けが少ないと思われていた「ニッチ」な市場で本気で食べていく覚悟で事業の再構築が必要です。

                                          (2013年7月5日)
図ー葬儀業務の年間売上高(特定サービス産業実態調査)


図ー葬儀業の業務種類別内訳


20年間で様変わりした市場 木材,木家具の材料

図-材種別用途別製材出荷量(全体)

図-材種別用途別製材出荷量(家具)

(木材需給報告書 農林水産省)
■伊勢丹松戸店「新しい地域百貨店のビジネスモデル」

 新しい地域百貨店のビジネスモデル

 三越伊勢丹グループの3年計画では次のように発表されています。

■地域ニーズにあわせた領域の強化

これまでの衣料品を中心とした商品展開を見直し、「食・住・遊・美・学」などの生活全般への幅
広い領域にわたって、お客さまの購買意識や生活関心度などのエリア別の地域特性を十分に踏まえた対応を図ります。

■“ハイブリッド型”店舗化

お客さまのニーズへお応えし、よりいっそうご来店いただくために、これまでの既存店舗運営モ
デルに加え、新たに百貨店と専門店の組み合わせによるハイブリッド型店舗化を進め、相乗効果を
発揮させていきます。

■店舗の独自性強化

自主企画商品の拡充や、店舗間セントラルコントロールの仕組みである「ユニットショップ」の
導入など、三越伊勢丹のグループ力を活かしたMDのコンテンツ充実化を図るとともに、地域のお
客さまのニーズにきめ細やかにお応えできるサービスメニューの拡充や、販売インフラの整備、教
育の強化などを通じた販売力の強化により、店舗の独自性にいっそう磨きをかけていきます。

                        (三越伊勢丹ホールディングス 報道資料 6月5日より)

 伊勢丹松戸店は33,109uで214億円の売上の店です。今年の秋に、上記の考え方に基づいたリモデルが実施されます。

 地域ニーズに合わせた領域強化としては子どもの遊び場の新設による"子育てファミリー支援”として「ボーネルンドあそびのせかいを設置、「ボーネルンド」のショップと親子の室内遊び場「KID−O−KID」からなる複合施設です。松戸市や聖徳大学と協働で店内で様々なイベントが実施されます。
 千葉県ではまだまだ「室内遊び場」というのいうのが、母親の安心につながり強くアピールするのかも知れませんね。

 ハイブリッド型店舗としては百貨店と専門店の融合店舗。百貨店の自主運営部分と専門店部分を共通のコンセプトに基づきフロア内に効果的に配置し
イベント等で連係し、相乗効果でお客様の回遊性を高めます。

 具体的には書籍は「ジュンク堂」、文具は「丸善文具」、アウトドアは「好日山荘」が導入されます。

 商圏のニーズに応えるための専門店導入であって、効率の低い売場を出来るだけ高く貸して、かつ人員を減らして見かけの利益を生みだそうと言う「数字合わせ」からの発想ではないようです。(もちろん、そんな発想の企業は百貨店業界の中には存在しませんが)

 従業員数が506人と、スリム化が進んだ大丸、松坂屋の二倍の体制ですが、専門店の導入でスリムになる人員をどの業務に向けるのか?伊勢丹の場合ですと自主運営売場の充実が想定されます。

 あくまでも地域ニーズへの対応を出発点にした再構築である事が注目ポイントでしょう。

 具体的なフロアプランの発表が楽しみです。

                                     (2013年07月04日)
■松坂屋銀座店の百貨店としての再生は無いだろう

 6月30日88年の営業に「一旦幕を下ろす」松坂屋銀座店

 銀座有楽町には地域の核になる5万u以上の大型百貨店は存在しません。松屋銀座店が最大で41,806uです。閉店した松坂屋銀座店は2.5万uで4番店でした。

 この地域は地域のブランド力が高く、専門店、他の大型専門店とあわせて、銀座全体が大きなショッピングセンター・ライフスタイルセンターと想像すればわかりやすいでしょう。(本当は逆なんですけれどね。ショッピングセンターが街を目指しているという意味で)

 報道で銀座最古の百貨店が惜しまれて閉店というトーンで扱われていましたが、さて地元の人にとってはどうなんでしょう。関西発の島屋が日本橋が本店の東京の店と認知されているのに比べると、名古屋の店の支店・・・という「評価」だったのではないかと思います。

 再開発されたあとの商業施設は5万平米ということですが、jフロントリテイリングは「松坂屋」の再出店は言明していません。

 地元のお客様の愛着が薄い(商品券のシェアにもあらわれています)ことと、Jフロントリテイリングの特徴である従業員数の絞り込みから考えると「百貨店業態」での出店はありえないと思います。

 銀座の百貨店というステータスにこだわるなら「百貨店」もありでしょうが、jフロントグループの経験値では「高級品」の「大型専門店群」の一体運営は難しいと思います。

 グループ会社の「パルコ」のノウハウが中心になった店になるでしょう。

                                           (2013年07月03日)
図ー銀座・有楽町地区の百貨店 品目別売上げシェア  売場面積シェア(2011年)


図ー銀座有楽町の百貨店 売場面積と従業員数


(百貨店調査年鑑2012年 ストアーズ社 より作成)
■「市場が価格を決める」事がいつも正しいとは限らない〜リーガロイヤルホテルへの不安

 イールドマネジメントは収益向上につながらないという最近の論調

 Yield/Revenue managementはアメリカンエアラインやユナイテッドエアラインなどの航空会社により
収益を最大化(最適化)するために初めて導入されたビジネス戦略である。

その後、ホテル、レンタカー、そしてレストランでも導入された。広義にはイールドマネジメントは
正しい在庫を正しいお客さまに正しい時に正しい料金で販売することと定義されている。


 1980年頃から流行ったイールドマネジメントは、ホテル業界では客室はその日に売れないと機会損失してしまう性質があらうために稼働率を上げる手段として急速に普及しました。インターネットの普及が市場に合わせた「価格」変動をさらに大きなモノにしています。

 限られた設備から最大の利益をあげるために極めて有効な手法だと思われていました。

 市場の需要で価格が決まるという仕組みは、現在では「長期的な価格設定では有効では無い」、「ホテルのように競争の激しい市場では、最終的には利益率がゼロになる徹底した割引になってしまう」(東京成徳大学 観光文化学科井上博文氏)という論調が強まっています。

 リーガロイヤルホテルの最低価格は市場の評価なのか?

 6月11日の記事で取り上げた「リーガロイヤルホテル大阪」の最低価格について、当社でもあらためて調査しました。おそらく旧館の古い客室の価格が7,800円なのでしょう。同じリーガロイヤルホテルでもリーガロイヤルザ・プレジデンシャルタワーの方は価格を維持しています。

 立地が不便で、設備が古いことで人気がないので価格を下げざるを得ない・・・ということなのでしょうか?

 旧御三家といわれたラマダホテル(東洋ホテル)は6,000円。ビジネスホテルですが、立地が良く、歴史のある=設備が古いままの新阪急ホテルが6,600円とアパホテルやスーパーホテルといった格安ホテルよりずっと安く止まれます。リーガロイヤルホテルの7,800円というのもスーパーホテルの水準です。

 市場が価格を決めることはある程度、「正しい」ことでしょうが、長期的に考えたときに「どの市場」で戦うかという戦略がなければずるずると後退していきます。

 関西地元の古い住民にとって「リーガロイヤルホテル」は特別なホテルでした。

 リーガロイヤルホテルの大宴会場も、サービス演出も今の感覚からすると「くすんだ」「時代遅れ」の印象がありました。

 イールドマネジメントが直接の原因では無いでしょうが、「価格政策」が前面にでてしまうことが、衰退に拍車をかけるように思います。ブランド価値が無くなると再生のための資源を失います。(これは百貨店業界でも感じることですが)


 「イールドマネジメント/レベニューマネジメント」本来の趣旨は「適切な価格」で「適切なお客様」に提供することなのでしょうが、一度、価格を下げて反応が上がると、価格しか目にみえなくなってしまうのが落とし穴です。
                                            (2013年07月02日)
図ー大阪市内主要ホテルの最低価格(ネット上での調査)
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